皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。
今回は取締役、監査役の意味について分かりやすく解説していきたいと思います。
会社を設立する際など、「取締役?監査役?」と思うことがあったかと思いますが、なんとなーく理解している感じじゃないでしょうか?
今回、分かりやすい本がありましたのでそちらを参考にして、会社法上の制度である取締役、監査役について解説していきます!
参考文献は「初心者でもわかる! LawL ゆいの 会社法入門」(著者:小林章博)です。
取締役、監査役、株主の関係
取締役、監査役、株主の関係を説明するうえで、本書では探検家のコロンブスの例を出しています。
コロンブスは新大陸発見のために航海に出たいと考えていました。
ただ、航海するためには資金が必要で、利益還元を約束していてもなかなか集まらなかった。
そこにスペイン女王イザベルⅰ世から資金提供を受けることができ、航海することが可能になった。
ただ女王は、ちゃんと資金が航海に使われているかを、見張っておくためにお目付け役を送り込んだ。
そして、コロンブスは無事新大陸を見つけることができ、コロンブスは多大な利益を得ることができた。
というお話でした。
このお話を株式会社に当てはめてみると、航海に使った船が「株式会社」、コロンブスが「取締役」、イザベルⅠ世が「株主」、お目付け役が「監査役」という役割となります。
こう考えてみると分かりやすくないでしょうか?
そして、株主が一人だったとしたらお金がたくさんは出してもらえない可能性がありますよね。
ですので株式会社は、複数の人から出資を受けれる仕組みになっています。
そうなってくると、株主間で、「だれを取締役にしたらいいのか」「利益はどのように分配したり、利用したりするか」といった株主間の意見の調整が必要になってきます。
そのため、株主間の意見を調整するための機関として「株主総会」があるというわけです。
ただみんな平等というわけではなく、お金を一番多く出している人が、一番リスクを負っているわけなので、お金を一番出している人が発言が強い、すなわち議決権が多い、ということになります。
取締役についてもう少し深掘り
取締役
会社法上、株式会社には1人以上の取締役を置かなければならないとなっています。
そして、取締役の任期は最長でも10年となっています。
以前私が担当していた先で、監査役の方がお亡くなりになり、定款変更のため法務局に行ったら、そのほかの取締役の任期がすでに10年を超えていて、重任(更新のようなもの)をしていなかったため、罰金が取られた思い出があります。
皆さんも注意してくださいね。
取締役会
取締役会という言葉は聞いたことがありますか?
取締役会とは、その株式会社のすべての取締役によって構成されている組織をいいます。
本来、株主は適切な人選をしているはずなため、忙しい取締役をわざわざ集めて取締役会という名の会議を行わずとも、適切に運営されている、かのように思われます。
ですが、適切な人選だったとしても、取締役1人で決めるとなると判断を誤ってしまうことがあるかもしれませんよね?
そういったことを防止するために、取締役全員が集まって、その株式会社にとって重要なことを決定したり、他の取締役がきちんと職務を行っているかどうかを監督する機関として取締役会という機関が設けられています。
監査役についてもう少し深掘り
取締役を監査する役割がある監査役。
監査役についても、任期は最長10年となっています。
どこまで監査するのかというと、取締役の職務執行全般を監査する役割があります。
取締役会も監査役も同じような役割りがありますが、この二つは監査する範囲が異なっています。
監査役は取締役の「適法性監査」、取締役会は「適法性監査だけでなく妥当性まで及ぶ」とされています。
つまりは、取締役会の方がチェックする範囲が広いと言えます。
この範囲もグレーな線引きがあるようですが、具体的に言うと、取締役会は代表取締役を解任する権限がありますが、監査役は直接解任させる権限はありません。
また、定款で定めることによって監査役が監査する範囲を、非公開会社の場合には会計監査に限定することができます。
小規模な事業者にとってみれば、監査役にはそこまでの監査を期待していないケースも考えられるからです。
たまに税理士さんが監査役に任命されていたりしますが、おそらく会計監査に限定しているのではないかと思います。
余談
今回取り上げた例が、
株主、取締役、監査役を説明するうえでは
一番分かりやすかったように思います。
確かに、具体的なイメージが浮かんだな
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