事業再構築補助金を申請しよう!【要件とポイントを解説】

起業・経営

皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。

今回は補助金の解説をします。事業再構築補助金って知ってますでしょうか?

要綱からざっと引用しますと、

「本事業は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難
い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態
転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構
築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的と
します。」

となっております。要件に絡めましてざっくり言うとすれば、コロナウィルスの影響により売上高が減少している事業者が、「新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編」に該当する取り組みをするのなら補助金を出しますよ~って制度になります。

経費の補助率も2/3とか1/2とかなので、結構補助率も大きいので、該当する取り組みをされる方は一度検討されてみてはいかがでしょうか?

今回は、私が事業再構築の類型の中でも「新分野展開」で申請しましたので、新分野展開の要件やその大枠の要件なども確認して、なるほどだいたい分かったとなるのが目標です。細かい要件とかは飛ばしていきますので、よろしくお願いします。

新分野展開とは

前述したように、事業再構築の種類には「新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編」の5つの種類があるのですが、今回は私が実際に申請した「新分野展開」についての説明をしていきます。実際には新分野展開で申請する方が多いと思いますので、参考になると思います。

新分野展開に該当するためには、下記の4つを満たすことが必要です。

  1. 主たる業種・事業は変更していないこと
  2. 製品等の新規性要件
  3. 市場の新規性要件
  4. 売上高10%要件

この4つを満たすことが必要です。「1」は大丈夫ですよね。飲食業だったら飲食業で貫き通せ、みたいな意味です。それでは2~4までの用件を見ていきましょう。

ちなみに確認したページは「事業再構築補助金リーフレット」からです。
リンク先はこちら⇒https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/download/shishin_tebiki006.pdf

製品等の新規性要件

以下の3つを満たすことが必要です。3については計測できる場合に限りますので、私が申請したものは計測できなかったので、無視して申請しました。

  1. 過去に製造等した実績がないこと
     ・・・新規事業を立ち上げるので、過去に製造等してたことがあったらダメです。ちなみに製造「等」ですので、新たに開始するサービスの提供でも構いません。
  2. 製造等に用いる主要な設備を変更すること 
     ・・・新規事業なので、前からある設備を使っていたら新規事業と言えないので、新たに導入する必要があるので注意です。
  3. 定量的に性能又は効能が異なること(性能や効能が計測できる場合に限る)

市場の新規性要件

市場の新規性要件については、次のように説明がされています。

「市場の新規性要件については、既存製品等と新製品等の代替性が低いことを事業計画においてお
示しください。」

つまり、新規事業をすることによって既存事業の売上高を食いつぶしてしまったら意味がないので、むしろ新規事業を始めることによって既存事業の売上も上がるような相乗効果のある計画とすることが推奨されています。

売上高10%要件

売上高10%要件については、次のように説明がされています。

「④3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の売上高が総売上高の10%(又は総付加価値額の15%)以上となる計画を策定することが必要です。【新事業売上高10%等要件】」」

まず、「3~5年間の事業計画終了後」とあるところは、いつのタイミングで事業計画を終了するかのタイミングなので、事業者が任意に決めて構いません。

で、その任意に決めたタイミングが終了した時点で、総売上高(例えば1000万円)の10%は新規売上高が占めている(なので100万円以上)計画でなければなりません。

※総付加価値額を使って私は申請してなかったので、説明は割愛します。

事業再構築の大枠の要件

さて、先ほどまでで「新分野展開」の用件を見てきました。こちらはあくまで、事業再構築の類型の中の一つの項目の要件ですので、もっと大枠の要件があります。

次はその大枠の要件を見ていきます。要綱から引用したものを下段に添付します。

4つ要件があります。

  1. 事業再構築要件
  2. 売上高等減少要件
  3. 認定支援機関要件
  4. 付加価値額要件

それでは詳しく見ていきましょう。

事業再構築要件

①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】

と、記載がありますね。先ほどの新分野展開など5つの類型のどれかに当てはまっているか?ってことになります。

売上高等減少要件

2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等【売上高等減少要件】

と、記載がありますね。つまりコロナウイルスにより影響を受けていて、だからこそ事業再構築補助金を申請するんだ!って人が対象になるってことです。

ちなみに、売上高が減少していることを示すのは、電子申請の画面で数字を打ち込んでいって減少を判定しますので、事業計画書において売上高等減少要件を示しても、示さなくてもどちらでも構いません。

認定支援機関要件

③事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること【認定支援機関要件】

認定経営革新等支援機関というのは、経営をサポートする専門家みたいな立場の人で、税理士、金融機関、商工会議所…などが認定経営革新等支援機関に当たります。

その人たちと、一緒になって計画を練ってくださいね、ってことです。

付加価値額要件

④補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】

と記載がありますが、こちらの要件につきましても、電子申請の段階で入力する画面がありますので、特に事業計画書に盛り込んでも盛り込まなくてもどちらでも構いません。

「補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加」について具体的に言うと、

例えば、補助事業終了年度(つまり、投資が終わった年度。ということ)と、その翌年、その翌々年があったとしたら、

補助事業終了年度と翌年を比較して何%増加したか、補助事業終了年度と翌々年を比較して何%増加したか、というように、補助事業終了年度を基準年度として見てきますので、その点ご留意ください。

事業計画書の書き方

申請するにあたっては、事業計画書を添付することが必要であり、おそらくこの事業計画書の出来の良しあしが、採択されるかどうかの重要なファクターになってくると思います。

事業計画書を作成するにあたってのポイントは、

  1. 申請要綱の「10.事業計画作成における注意事項」で取り上げているポイントをすべて計画書に落とし込む
  2. 採択事例紹介を参考にする
  3. SWOT分析して、なぜこの新規事業をする必要があるのかを説明する。

それでは一つ一つ見ていきましょう。

申請要綱の「10.事業計画作成における注意事項」で取り上げているポイントをすべて計画書に落とし込む

要綱を見ていくと、「10.」のところに事業計画書作成のポイントが書いていますので、そちらにあげているポイントはすべて取り上げましょう。

採択事例紹介を参考にする

右上に「採択事例紹介」のタブが見えると思いますので、そちらから入りましょう。よくよく見てみると、採択事例は「10.」のポイントをすべて網羅している計画書があると思います。

SWOT分析して、なぜこの新規事業をする必要があるのかを説明する。

「10.」で強み、弱み・・・とか記載があると思いますが、つまりSWOT分析をしてください、ってことなので、SWOT分析をしましょう。

SWOT分析とは現在の事業の把握です。つまりSWOT分析を織り込んで、

新規事業をすることによって強みを活かせ、かつ弱みもカバーでき、現在の市場に機会(チャンス)があり、かつ現状の脅威にも対抗できる新規事業なので、補助金をお願いします!って計画にするようにしましょう。

余談

引地税理士
引地税理士

いかがでしたでしょうか。

申請は大変な部分もありますが、

要点を抑えるとこんな感じです。

具体的なイメージがつきませんでしたでしょうか。

該当する方はチャレンジしてみましょう!

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