運転資金の計算、考え方について分かりやすく解説

税務・会計

皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。

今回は、事業を継続していくにあたって運転資金の計算、考え方について分かりやすく解説します。

社長
社長

小売業を始めようと思うんだけど、運転資金っていくら必要かな?

引地税理士
引地税理士

当初、事業を回していくにはお金が必要ですよね。

当座の必要資金を運転資金といいますが、

今回はその運転資金について解説していきます。

運転資金とは

運転資金とは、Wikipediaによると、、「経営を行うにあたって必要な資金のことである」と定義されています。

資金使途には、運転資金と設備資金の2種類があります。事業を継続的に回すのが運転資金で、設備資金とは、設備を購入するために必要な資金のことです。

そして、Wikipediaによる、運転資金の計算については、「運転資金所要額=売上債権+棚卸資産-買入債務」と定義されています。

社長
社長

はぁ、運転資金所要額=売上債権+棚卸資産-買入債務 ですか。。。

引地税理士
引地税理士

事業を回していくのに、必要なお金の計算が上記の算式ですが、分かりにくいですよね。わかりやすく例を用いながら解説していきますね。

運転資金の計算式は、つまりどういうことですか?

例を用いながら説明していきたいと思います。

A社

月売上高 200万円
月売上原価 100万円
商品在庫期間 1か月(在庫として保有している商品の総数が何日分の売り上げに相当するかの指標)
売掛期間 1.5ヶ月

という会社があった場合

①商品の在庫・・・100万円 

⇒計算式 100万円(月売上原価)×1か月(商品在庫期間)⇒100万円・・・つまり1か月の売上を上げる際に必要となる在庫としては、当初100万円分必要ということです。

②売掛金・・・300万円

⇒月商200万円×1.5ヶ月(売掛期間)=300万円・・・つまり売掛金として、月末には300万円程計上されているということです。

上記の計算から、現状の月売上高を上げるためには所要運転資金としては下記の金額がはじき出されます。

300万円(在庫)+100万円(売掛金)=400万円

つまり、A社の運転資金として保有しておきたい金額としては、400万円ということになります。

社長
社長

。。。?

引地税理士
引地税理士

もうちょっと前提をいじってみてわかりやすく説明しますね

上の前提をちょっといじってみましょう。

仮に、300万円の現金があると思っていたという前提に立ってみます。

一旦ここでは、売掛金を除外して考えてみると、

つまり、

引地税理士
引地税理士

月の売り上げをあげるのに、300万円の在庫が必要なので、300万円資金を持っていればいいと。

社長
社長

おう、とりあえずは300万円現金があるね

引地税理士
引地税理士

まぁでも、全部商品に突っ込んでしまったら、そのほかの経費が支払えないですよね。

社長
社長

そうだな。

引地税理士
引地税理士

じゃあ、現金で支払うのではなく、300万円は掛けにしてもらって来月払うようにしましょう。

引地税理士
引地税理士

そしたら、当座で必要なお金としては、商品代金の支払いはないので、手許の現金としては300万円あるので、ちょっと余裕ができましたよね。

社長
社長

なるほど、この場合運転資金は、商品300万円-買掛金300万円=0円。つまり運転資金がいらないわけだな。

引地税理士
引地税理士

そうです。

引地税理士
引地税理士

・・・で、前提にかいたように、300万円の現金があると思っていたのが、実は、1.5ヶ月後に300万円入金されるという、オチだったとしましょう。

社長
社長

え、じゃあ現金がまったくないじゃないか。

引地税理士
引地税理士

そういうことです。

つまり、この場合、運転資金としては、

商品300万円+売掛金300万円-買掛金300万円=300万円

つまり、運転資金無くても、諸費用の支払いできますわ~

って思っていたら、あると思っていた現金が実は手元になかったので、商品の代金を用意しないといけないので、

売掛金、買掛金相殺して、結局300万円は、商品を買うための資金として、現金を持っとかないといけない、という意味になります。

引地税理士
引地税理士

その300万円を自己資本で賄うのか、借入で賄うのか、っていうことです。

余談

引地税理士
引地税理士

いかがでしたでしょうか?

分かりにくい、運転資金の考え方。

理解の一助になれば幸いです。

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