今期赤字だった場合には税金の還付が受けれるかも?【繰戻還付】

税務・会計

皆さんこんにちは。鹿児島の税理士の引地です。

今回は、今期赤字だった場合には税金の還付が受けれるかもしれない、というテーマで記事を書いていこうと思います。

法人、個人ともに今期赤字だった場合、一定の要件に該当する場合には、「欠損金の繰越控除」もしくは「欠損金の繰り戻し還付」が受けれます。

欠損金の繰越控除については知っている方もいらっしゃるかもしれません。赤字を3年間繰り越して、来年以降黒字が出た場合、その黒字と相殺する制度になります。

ですが、割と繰戻還付といって、当期赤字が出た場合、前期の黒字と相殺して、その相殺後の利益に対する税額を計算したのち、前期に納税した税額との差額を還付を受けれる制度については、知らない方も多いかもしれません。

今回はその繰戻還付について説明していこうと思います。

法人の場合

概要

法人が納める税金は法人税ですが、法人税について繰戻還付の規定があります。

国税庁のHPから引用しますと、

この制度は、青色申告書である確定申告書を提出する事業年度(適格合併における被合併法人の青色申告書である確定申告書を提出する最後事業年度を含みます。)に欠損金額が生じた場合(以下、この事業年度を「欠損事業年度」といいます。)において、その欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(以下「還付所得事業年度」といいます。)に繰り戻して法人税額の還付を請求できるというものです。

国税庁HP

「この欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度」ということですから、基本的には、前期を指します。

適用要件

適用要件としては、

次の要件をすべて満たさなければなりません。

1 青色申告法人の場合

(1) 還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出していること。

(2) 欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限までに提出していること。

(3) 上記(2)の確定申告書と同時(※)に欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出すること。

国税庁HPより

(1)について、簡単にいうと「前期と当期について青色で確定申告書を提出していること」ということになります。

また、(3)については、国税庁に様式がUPされています⇒https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/123-1.pdf

還付される金額

国税庁のHPから引用しますと、

計算方法・計算式

還付金額の計算は次のとおりです。

(算式)

還付金額=還付所得事業年度の法人税額×欠損事業年度の欠損金額÷還付所得事業年度の所得金額

(注) 法人が還付金額の計算の基礎として還付請求書に記載した金額が限度となります。また、分母の金額が限度になります。

国税庁HPより

数字を入れてみると、

還付金額(50)=還付所得事業年度の法人税額(100)×欠損事業年度の欠損金額(5,000)÷還付所得事業年度の所得金額(10,000)

となります。

つまり、前期の所得10,000円と今期の赤字5,000を相殺したら5,000になりますので、前期と当期をならしたら、前期に比べて税負担は半分だった、ということで前期に払った法人税の100のうち50が還付されるということです。

余談

引地税理士
引地税理士

いかがでしたでしょうか?

こちらの規定については、法人だけではなく個人についても

同様の規定があります。

個人の規定については、追記していきますのでまたご確認ください!

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