皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。
今回は、所得税の還付請求をした場合の、住民税、国民健康保険税の取り扱いについて解説します。
…というのも、電話でお問い合わせがあり、国税の取り扱いについては知っていたのですが、住民税(市県民税)、国民健康保険税(国民健康保険料)の取り扱いについて詳しくなかったので、市役所に問い合わせて確認してきました。
たしかに、所得税に限らず、他の税金についても気になるな。
ですよね。
ということで、調べましたので解説していきたいと思います。
まずは、所得税の還付請求はどうなるのか?
まずは、所得税の還付請求から、解説していきます。
細かい話は端折りまして、還付請求のことを「更正の請求」といいます。
簡単に言うと、やりなおしを(更正)お願いします(請求)という意味で更正の請求です。
平成23年の税制改正において、これまで還付請求できる期間が1年だったのが、5年に延びました。課税と還付のバランスをとるために延びた、と言われています。ちなみに住民税についても同様です。
厳密にいうと、「法定申告期限から5年以内に限り」更正の請求をすることができる、という文言ですので、例えば、記事作成日が令和5年9月11日ですが、平成29年分の申告の場合、こちらは平成30年3月15日が法定申告期限になりますので、5年後の令和5年3月15日の法定申告期限を過ぎていることから、平成29年分の申告については更正の請求をすることができません。
つまり、この場合は、平成30年~令和4年分までの、5年分が還付請求をすることができる、ということになります。
なるほど、基本的には、過去5年分は更正の請求ができるということだな。
住民税の還付請求はどうなるのか?
住民税は、所得税の更正の請求を税務署に提出した場合には、市役所にデータが連動して、
自動で計算されるようですので、再度申告する必要はありません。
おー、それは楽だね。
そうですね。
税務署が更正の請求を受け取って、認められた後、市役所におよそ1ヶ月後に税務署からデータが届くそうなので、その間のタイムラグがあります。
仮に、5年分税務署に還付請求をした場合には、自動的に住民税も計算されて、5年分は遡って還付されます。
国民健康保険税の還付請求はどうなるのか?
国民健康保険税についても、5年分遡って還付をすることができます。
国民健康保険税の計算において、住民税のデータを用いるということだったので、タイムラグとしては住民税と同様でしょう。
ただし、注意点があります。
国民健康保険税の計算は、あくまで、事業所得や給与所得などの、総所得金額を用いることから、所得控除は計算に反映されないため、追加で所得控除を適用して更正の請求をしたとしても、国民健康保険税の計算においては、なんら関係がないため、所得税や住民税は還付がされても、国民健康保険税は還付されない、といったケースもあるため注意しましょう。
余談
…つまりは、税務署にちゃんと更正の請求を行えば、住民税も国民健康保険税も自動で計算されるので、気にする必要はないってことですね。
なるほど、それだったら安心だね。
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