皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。
今回は、税務調査の戦い方について解説したいと思います。
戦い方といっても具体的な切り抜け方ではなく、今回のお話は「法律を駆使して戦おう」というのがテーマになります。
今回の参考文献としまして、「税務調査を法的に視る」(著者:木山泰嗣)を参考にさせていただきました。
それでは、税務調査の戦い方について見ていきましょう。
なぜ法律を駆使して戦うのか?
「なぜ法律を駆使して戦うのか?」
それは、税務署職員が国家公務員だからです。彼らは法律の根拠なくして職務を行うことができないからです。
だからこそ、税務調査で反論するときは法律の解釈で争うことがポイントになります。
どうやって法律を扱うのか?
それではどうやって法律を扱うのかというと、
法律を解釈する、という作業が必要になってきます。
その法律の立法趣旨は何なのか?その文言の定義は何なのか?・・・
そういったことを考える必要があります。
そして、実際にその条文が適用されるのかどうかの判断基準は、判例と呼ばれる、最高裁判決が出ているものについては、課税要件事実(どのような場合にその条文が適用されるのか)の判断基準が示されている場合があるのでそちらを参考にします。
というのも、条文そのままだと抽象的な表現だったりするため、具体的に利用する場合には、判例の判断基準を用いる必要があるからです。
そして、事実の「あてはめ」をしていって、この条文が適用できるのか、適用できないのかをチェックしていきます。
このような流れで結論を出す流れを「法的三段論法」と言います。判決文についても、同様の流れで結論を出しています。
最高裁判決が無い場合には、高裁、地裁の判決を調べて判断基準を探すことが必要になってきます。
立証責任
当事者間に争いのある事実については、証拠により事実認定(どのような事実があったのか確定する作業)がされます。
この証拠を提出する側が、その証拠を提出しなかった場合にはその事実はなかったものとして敗訴します。この事実を提出しないといけない側の立場を「立証責任」といいます。
税務調査の立証責任は、税務署、国税局の課税庁側が負っています。
じゃあ、納税者側は何もしなくていいのかというとそうではなくて、
納税者側は課税用件事実はない、として「反証」を行うことが重要になります。
その事実を証明する際に大事なことが、客観証拠を残すということです。なぜならその証拠がなければ、その事実はなかったものとして扱われるからです。
余談
いかがでしたでしょうか?
私自身、判例が重要ということは知ってはいたのですが、
法令適用の判断基準を示していたりするので重要になってくるのですね。
納税者の方は日頃から証拠資料を残すように注意しましょう!
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