皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。
今回のお話は、働きながら年金をもらった場合の在職老齢年金の支給停止について解説していきます。
え?おれはまだまだ働けるのに、年金減らされるのかよ!
まあまあ…一応、そういう制度ではありますが、年間の収入によって減額されるラインも変わってきますから、それによって働き方を考えるのもいいと思いますよ?
在職老齢年金とは
日本年金機構のHPから、在職老齢年金の意義について引用しますと、
在職老齢年金
60歳以降に在職(厚生年金保険に加入)しながら受ける老齢厚生年金を在職老齢年金といい、賃金と年金額に応じて年金額の一部または全部が支給停止される場合があります。賃金と年金額の合計額が48万円を超える場合、48万円を超えた金額の半分が年金額より支給停止されます(ただし、老齢基礎年金は全額支給されます)。また、70歳以降についても、平成16年(2004年)改正により平成19年(2007年)4月から同じ取扱いとなります(ただし、保険料負担はありません)。
日本年金機構HPより
ん?60歳じゃなくて、65歳じゃないのか?
当初60歳から年金受給でしたが、65歳からの支給になったので、
その混乱をさけるために、年齢によって、支給時期が延びていってるんですよ。
最終的には、65歳からの受給になります。
なお、厚生年金保険料の支払いは70歳まで続きますので注意してください
結局のところ年収がいくらまでだったら減額されないの?
細かいことはいいから、いくらだったら年金は減額されないんだ?
そうですよね。気になる所ですよね。
上記から引用すると、
賃金と年金額の合計額が48万円を超える場合 とありますが、より詳しく言いますと、
基本月額と総報酬月額相当額が48万円以下だった場合には、年金が減額されることはありません。
ただ、あくまで、基本月額は老齢厚生年金の月額なので、老齢基礎年金が入っていないので、足し合わせないといけません。
つまり、どういうこと?
年収ベースで直すと、
つまり、年間の、厚生年金収入+給与収入(賞与含む)が
576万円以下だったら年金が減額されることはない、
ということです。
で、老齢基礎年金も仮に満額貰っていたとして、
令和5年は年間79万5千円支給されるということで、
仮に満額貰っていた場合は、576万円+79.5万円=655.5万円を超えた場合に、年金が減額されることになりますね。あくまで令和5年ベースの話ですが
賞与は、基本的には前年実績を参考にするようですね
厳密には、若干誤差はありますが、おおむねそのように思っていただければいいと思います。
補足ですが、実は令和4年3月以前の65歳未満の方の在職老齢年金は、基本月額と総報酬月額相当額が28万円以下の場合に限って、年金の減額がされていました。
改正によって、48万円に変わったので、
令和4年3月以前に比べれば、ゆるくなった、とも言えますね。
減額される場合の具体例
日本年金機構のリーフレットから抜粋しました。
なるほど、年収換算だと、576万円を超えた金額の1/2が減額されるってことだな。
上の場合、年間の収入が、120万円(年金)+384万円(給与年収)+120万円(賞与)=624万円で、576万円を超えている部分が、48万円だからそれの1/2で24万円。24万円減額されるってことだな。
この人の年間収入としてはこれに老齢基礎年金の6万円×12ヶ月=72万円で、年間の収入は696万円ってことか。
そうですね。
そうか、そんなに貰う予定がなかったから安心したぞ!
余談
いかがでしたでしょうか?ざっくりとでも金額が分かっておかないと不安になる部分があると思いますので計算してみました。
ご参考になりましたら幸いです。
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