労働保険の年度更新の仕方を解説【申告・納付】

労務・法務

皆さんこんにちわ。鹿児島の税理士の引地です。

7月は労働保険の年度更新のシーズンですね~。顧問先からも労働保険の年度更新について質問がありました。

社長
社長

引地さん、事務所にこんな封筒が届いてたんですけど…
これもお願いしていいですかね?

引地税理士
引地税理士

あー、労働保険料の資料ですね。

これ、うちではしてないんですよね…

引地税理士
引地税理士

労働局に行けば教えてもらえそうな気がしますが…

もしくは、ネットで記入の仕方が載ってるので参考にするかですね。

引地税理士
引地税理士

とりあえず、記入の際に必要になる賃金台帳はお渡しします。

社長
社長

ありがとうございます。

そうなんですね…労働局に行ってきます!

・・・そんな感じで、特に新しく事業を始めたばかりの方にとっては、なんのこっちゃ分からないですよね。

ということで今回は労働保険料年度更新の手引きを参考に、労働保険料の年度更新の仕方について解説します!

労働保険料の年度更新とは?

まず、そもそも労働保険料って何を指しているのかというと、雇用保険料と労災保険料のことです。(一般拠出金なるものも含まれていますが)

雇用保険料は、従業員さんと、会社とがだいたい半分半分負担していて、労災保険料は会社が全額負担になるのですが、その雇用保険料と労災保険料を支払うタイミングがこの年度更新の時になります。

で、じゃあ年度更新とは何かというと…(手引きから引用)

事業主は、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付(労働保険の保険料の徴収等に関する法律第15条)と前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付(労働保険の保険料の徴収等に関する法律第19条)の手続が必要です。これが「年度更新」の手続です。
この年度更新の手続は、本年度は6月1日から7月11日までの間に行ってください。

令和4年度 労働保険 年度更新 申告書の書き方P3

ということです。なんのこっちゃ、ってなるかと思いますが、

簡単にいいますと、前年中に概算で納めていた労働保険料を精算し、来年分の労働保険料を概算で納める。ということをします。

流れを説明すると、前年(令和3年)において、今年分(令和4年分)の労働保険料を概算で納めているので、あくまで概算なので正確に計算して差額を納付・充当し、今年(令和4年)において、来年分(令和5年分)の労働保険料を概算で納める、という流れになります。

概算で前払いしているからこういう流れになります。

申告書の書き方・納付の仕方

それでは申労働保険料の告書の書き方について解説していきます。

流れとしては、「確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」を書いてから、「申告書」を書いていく形になります。

確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表

まず手引きからイメージを引用しますと。

こういう資料になります。エクセルとかでダウンロードできますので、それを使っていただければよいと思います。ちなみにこちらの資料は提出する資料ではなくて、あくまで計算のために必要となる書類であることに注意。

上が労災保険料で、下が雇用保険になっていますね。労災保険料の欄は、基本的に全従業員・パート・アルバイトが対象になります。雇用保険料の欄は、雇用保険に加入している人が対象になります。

ざっくりいうと、そういった方たちの、令和3年4月~令和4年3月までの給与・賞与を記入していく形になります。

なんでこんなことをしているのかと言えば、令和3年に概算で支払った労働保険料を精算するためです。また令和4年に概算で支払う労働保険料を計算するためでもあります。

記入の際の注意点としては、

  • 令和3年4月~令和4年3月に「確定」している給与を書くので、例えば当月締め翌月払いの会社の場合は、令和4年3月分の給与は、4月が支給だったとしても令和4年3月に確定しているので、令和4年3月分の給与まで書く必要があります。
  • 雇用保険、労働保険の支給額には通勤手当を含めてください。
  • 役員の報酬や、その家族の給与は入れないでください。

申告書

まず、手引きからイメージを引用しますと、

こういった資料になります。

先ほど書いた確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表に「申告書の〇〇に転記」という記載があると思いますのでその通り記載すればよいです。

料率については、基本的には印字されているはずなので、左側に転記した数字を掛け合わせて右側に記入していく感じです。

上の「確定保険料」の段で、前年中に前払いしたものを精算するための計算をします。下の「概算・増加概算」の段で、概算保険料を計算します。ちなみに概算保険料は基本的に特に変動する見込みがない(賃金総額が前年度と比較して2分の1以上2倍以下の場合)には、上の段で記入した賃金(令和3年4月~令和4年3月)と同額のものとして計算しますので、基本的には同じ金額が入ってきます。

記入の際の注意点としては、

  • 精算してみたら前払いが多かった場合もあると思いますが、その際の充当意思は「3」で記入すればよいと思います。
  • 賃金を記入する左側の欄の「労働保険料」の欄が空欄になっているのは、そこは基本的に空欄でOKです。(全員が雇用保険対象者・労災保険対象者の場合には、そちらに記入する形になります。)

で、納付書ですが、

申告書の下にくっついていると思いますので、手引きの矢印に従って記載していただければよいと思います。

余談

引地税理士
引地税理士

令和4年度は、7月11日が申告・納付期限になっていますので

注意してくださいね!

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