会社設立のよくある質問について解説

起業・経営

皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。

今回は、会社設立の際のよくある質問について解説したいと思います。

私自身たびたび質問を受けることですので、おそらく皆さんが疑問に思われていることもこちらで取り上げているのではないかと思っています。

それでは内容の方を見ていきましょう!

法人の設立はいくらかかる?

まず、法人設立の費用がいくらかかるのかは関心の高いポイントですよね。

こちらは法人設立の形態によって費用が異なっていきます。

今回は、代表的な設立形態である株式会社と合同会社について見ていきます。

株式会社の場合

まず、株式会社の場合ですが登録免許税や定款認証等の費用で21万円程度費用が掛かってきます。

登録免許税というのは、登記や登録等するときにかかってくる税金になります。

定款とは、会社が守るべき憲法の様なもので、認証とは、その定款が正式な手続きで成立されていることを公的機関が証明することをいいます。定款認証がされることによって、後日会社と株主などでトラブルが生じたときに、その改ざんの恐れのない定款を用いて解決を図るためです。

加えて司法書士への報酬が発生します。

平成30年1月に実施された日本司法書士連合会のアンケートを参照してみますと、

いわゆる小規模事業者(発起人2人 資本金500万円)の場合、九州地区ですと、

  • 低額者10%の平均⇒56,282円
  • 全体の平均値⇒103,635円
  • 高額者10%の平均⇒175,300円

となっており、全国の平均値を見てみてもだいたい10万円弱であることが読み取れます。

ということで、株式会社を設立するためにかかってくる費用としては総額として、30万円弱であることが分かります。

合同会社の場合

合同会社の場合、登録免許税で6万円程度で、公証人の認証が必要ありませんので、定款認証の費用がかかってきません。これは、合同会社の場合は出資者=経営者であるため、経営者と出資者間の争いが生じないため定款認証が不要であると言われています。

司法書士への報酬としては、こちらについては公表されたデータがなくだいたいの相場感になりますが、6万円~9万円かかってくると思いましょう。

つまり合同会社を設立しようとした場合、だいたい12万円~15万円の範囲内であるといえるでしょう。

株式会社と合同会社どちらがいい?

社長
社長

株式会社と合同会社どちらが良いと思いますか?

こちらもよくあるご質問ですね。

まず、意思決定の方法が株式会社の場合は株主総会を開き、合同会社の場合は総社員の同意を元に意思決定するという意思決定の方法が違いますが、普通の小規模事業者の場合は基本的にどちらであろうと、法的にはあまり変わりません。

株式会社であろうと、合同会社であろうと「間接有限責任」といって、出資した金額までしか負担を負いません。

ですので、あえて選ぶポイントを挙げるとすれば、

・今後、従業員採用を拡大せず家族経営、スモールビジネスとして経営していくのであれば、設立費用が安い合同会社もおすすめです。

・今後従業員採用を積極的に行ない、会社をどんどん大きくしていきたいと考えているのであれば、株式会社がおすすめです。

資本金はいくらが良い?

会社設立時に1円以上の資本金を準備する必要がありますが、いくらくらいを想定したらいいのか迷いますよね。

消費税、創業融資の面から検討してみますと、

・資本金が1000万円以上とすると、会社設立初年度から消費税の納税義務が生じることになりますので注意が必要です。(逆に資本金1000万円未満の場合には、通常は最低2期は消費税の納税義務はありません)

・最初からある程度の投資が必要な会社で創業融資を受けようと検討している場合には、融資前に準備した自己資金の2倍は融資を受けれる可能性があるので、資本金を多めに入れておいた方が良いケースもあります。

決算月はいつがいい?

会社設立の際に、定款を作ることとなりますが、その際に事業年度、つまり決算月をいつにするのかを決める必要があります。

社長
社長

そこまで考えていなかった!

という方も多いと思いますが、決算月をいつにしたら良いのかもポイントがあります。

・通常は、設立した月(たとえば8月)の先月(つまり7月)を決算月とすることによって、消費税の納税義務を最大限引き延ばすことができます。先ほど説明をしましたが設立2期は通常は消費税の納税義務がないため、長く引き延ばせるならばその方が良いので先月をおすすめしています。

・在庫を抱えるような会社(卸売、小売業)などは、決算月の末日に商品の棚卸をする必要があるので、その会社のスケジュール的にその月で問題がないかも確認するポイントです。

・季節ごとに利益のブレの大きい会社(たとえばお土産を売っているような会社はお中元お歳暮の時期に利益が集中しますよね)は、利益の少ない暇な時期を決算月とすることによって、利益が期の前半に集中するため利益の予測が立てやすくなり、節税対策、納税予測がしやすくなります。

家族も役員にすべき?

こちらもよく質問されるポイントですね。

回答としては、「会社の仕事を手伝うのであれば、役員にしておいた方が無難」という回答になります。

まず、従業員と役員の違いですが、従業員は労働に対する対価、つまり「労働時間に対する対価」なのに対し、役員の場合には成果に対する対価、つまり「結果に対する対価」という性質と性質を異にしています。

家族を従業員として雇っている場合、例えば他の社員が8時間働いているのに、家族だけは短時間だけ勤務していて給料がやけに高いときなどは、「利益調整でしょ?」ということで給料の経費性を否認される恐れがあります。

逆に、役員の場合にも、仕事に対する対価として役員報酬が高すぎる場合は問題になるケースもありますが、あくまで「結果に対する対価」なので、勤務時間が少なかったとしても問題になるケースは少ないです。

ということで、役員の方が無難なのではないか、というのが回答になります。

余談

引地税理士
引地税理士

いかがでしたでしょうか?

今回は、会社設立のよくある質問にお答えしました。

もし取り上げてほしいテーマがありましたら、記事に挙げますので、

コメントを頂ければと思います!

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