銀行員は決算書のどこを見て融資の判断をしているのか、ポイントを押さえよう!【融資の可否・粉飾】

起業・経営

企業の成長を加速させるためには、融資を受けることが重要になってきます。

何を見て判断されるかというと、まずは決算書、試算表。

どういった視点で銀行員が決算書を見ているかを知ることによって、改善すべきポイントが見えてきます。

そして、決算書を見るときは粉飾決算でないかも確認しますので、銀行員はどうやって粉飾決算を見抜いているかについても説明していきます!

簡易キャッシュフローで、1年以内に返済する借入金を返済できるか?

簡易キャッシュフローとは、税引後当期純利益+減価償却費のことです。

税引後当期純利益とは、法人の税金とかも諸々差し引いて残った利益のことです。

減価償却費とは、固定資産の購入価額を複数年にわたって経費処理していく方法のことをいいます。ですので、減価償却費というのはあくまで計算上、経費として計上しているものですので、その経費の額についてはお金の支出がありません。

簡易キャッシュフローが何を示しているかというと、諸々差し引いて残った利益に計算上算出しただけでお金を支払っていない減価償却費をプラスすることによって、1年間の余剰資金を算出する式となります。

つまり、この余剰資金が借入金の返済の原資になるわけなので、銀行員は、

簡易キャッシュフローが、1年間に返済する借入金を下回っていないかを見ます。下回っている場合というのは、その余剰資金で借入金を返済できていないわけですから、この会社にお金を貸しても帰ってくる見込みがないので貸さない、と判断をされる可能性があります。

つまり、節税に走りすぎると利益が圧迫されるわけですから、融資が受けずらくなってしまうのでそのバランスが大事なんです!

実質の貸借対照表で債務超過になっていないか?

貸借対照表とは、会社の財政状態を表わす表と言われています。

貸借対照表は、資産(財産)、負債(今後返済すべきもの)、資本(返済する必要のない出資金とか)で構成されています。

貸借対照表が債務超過ということは、負債が資産を超えている状態ですから、仮にその時点で会社を閉めたときに、借りてたお金とかを返したあと会社に何も財産が残らない状態になります。

銀行は、借入金が回収不能になったときに、会社の余剰資金があればそちらから返済してもらいます。

ですので、余剰資金がないような会社には貸したがりませんので、債務超過の会社は注意が必要です。

また、この債務超過の判断も単に貸借対照表を眺めるだけではなく、資産の実際の資金回収可能性も確認します。

「この売掛金は回収可能性があるのか?」

「この貸付金は回収可能性があるのか?」

資金の回収可能性がないと判断されたときは、資産からその金額を除いて、実質の貸借対照表に読み替えてから債務超過の判断をすることにも注意してくださいね!(不明点は銀行から連絡が入りますよ…)

銀行はどうやって粉飾決算を見抜いているのか。

前述したように、銀行は単に決算書を眺めるだけではなく、資産の回収可能性があるのか、ひいては粉飾決算をしていないかも確認します。

粉飾決算とは、決算書を事実とは反してよく見せることを言います。

たとえば、売上をかさまししたり、在庫を過大に計上することによって、利益が膨らみますので、決算書上よく見えます。

しかし、複式簿記とは面白いもので、決算書に何かしらのひずみが出るものです。

具体的に指標として、ひずみが出てくるのは、粗利率の上昇、売上債権回転期間の長期化、仕入債務回転期間の短期化、棚卸資産回転率の長期化です。

これらの率は、前期以前の決算書と比較することによって異常値を発見することができます。

粗利率が上昇しているということは、売上を過大に計上しているのかもしれないし、売掛金の月の回収サイト(回転期間)が長期化しているということは、架空で売掛金を立ててるのかもしれないし、在庫が月の売り上げに比して(回転率)上昇しているということは、架空で在庫を計上している可能性があると推測できます。

銀行員は、決算書を数期分システムに入れて、上記の指標も確認してますので注意してくださいね!

銀行員がどこを見ているのかを知って、融資に活かそう!

前述した点を押さえて、融資を受けたいときに受けれるように決算書を整えていきましょうね!

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