相続税の申告のための必要書類【戸籍関係】

みなさんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。

今回は、相続税の申告にあたり必要となってくる書類について解説します。【戸籍関係】ということで、申告書を提出する際に、だれであろうと共通して必要になってくる書類になりますので、押さえておくようにしましょう。

【財産関係】の必要書類については、後日記事にアップしたいと思います。

それでは、戸籍関係の必要書類を見ていきましょう。

相続税申告の際に必要となってくる戸籍の資料

税金関係の申告書の添付書を確認したいときに、便利なのが国税庁の資料。

↓↓国税庁HPより添付しました。

税務署に「相続税の申告のしかた」という手引きがありますので、そちらから引用しました。

「(１)一般の場合」ということで、全員が共通して必要となってくる資料になります。財産関係については土地を取得した人、生命保険を取得した人、とそれぞれの取得した財産の状況により必要となってくる資料が変わってくるので、共通して必要となってくる戸籍関係の資料と思っていただければよいです。

必要となってくる資料は基本的に３つです。

• 被相続人のすべての相続人を明らかにする戸籍の謄本または、図形式の「法定相続情報一覧図の写し」
• 遺言書または遺産分割協議書のコピー
• 相続人全員の印鑑証明書（遺産分割協議書を添付する場合は必要で、遺言書を添付する場合には不要）

それでは、下記でなぜこの資料が必要なのか？について説明していくことで、相続税の申告も理解が深まると思いますので一つ一つ見ていきましょう。

被相続人のすべての相続人を明らかにする戸籍の謄本または、図形式の「法定相続情報一覧図の写し」

被相続人の相続人を確定させるにあたり、戸籍謄本の確認が必要になってきます。

相続人というのは、被相続人の財産や債務を承継する権利を有していることから、相続人以外の人が財産を取得したら問題ですよね（遺言により被相続人が相続人以外に遺贈する意思表示をしている場合は別ですが）

そういった相続人が誰に当たるのかは、相続税を計算するうえでもとても重要な論点になってくるので、戸籍謄本の提出が必要になっているのだと思われます。

役所の人に、「相続税の計算にあたり必要となります」と伝えていただければ、被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本を発行してくれると思いますので、その旨を伝えていただければOKだと思います。

図形式の「法定相続情報一覧図の写し」については、こちら側で被相続人の相続人が誰に当たるのかを図形化して法務局に提出すれば、法務局が、いわばお墨付きを与えたような感じで、認証した相続人関係を図形化した一覧表を出してくれます。

遺言書または遺産分割協議書のコピー

実際に誰が財産、債務を相続、遺贈（遺言により取得すること）したのかを証明する資料として、遺言書または、遺産分割協議書が必要になってきます。（コピーを提出して原本は保管しておいてください）

遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言の２種類がありますが、

自筆証書遺言とは、被相続人が自筆で書いた遺言書になります。自筆証書遺言については、家庭裁判所での検認（相続人に対し遺言書の存在を知らせ、家庭裁判所がその内容を証明すること）が必要になります。自筆なので改ざんされるのを防ぐためなのですが、開封してはいけないと法律上なっていますので、未開封のものを家庭裁判所に提出するようにしましょう。（開封しても検認を受けれるようですが、過料がかかるようです）申告書を提出する際は、自筆証書遺言と、検認済証明書を添付してください。

公正証書遺言については、生前に被相続人が公証役場に行き、いわば遺言書の原本を公的な機関で預けているような形になりますので、改ざんの恐れのない遺言書の形式になります。こちらは検認が不要なので、写しを申告書に添付するようにしましょう。

遺産分割協議書については、遺言がない場合や、遺言書があっても相続人全員の同意にもとづけば（相続人以外の方が遺贈により貰うとされている場合はその方の同意も必要ですが）相続人で話し合って財産を誰が何の財産、債務を取得するかを決める遺産分割協議という形になります。

相続人全員の印鑑証明書（遺産分割協議書を添付する場合は必要で、遺言書を添付する場合には不要）

遺産分割協議書については、末尾に相続人全員の住所、署名などが必要になりその横に実印を推していただくのですが、その押印を証明するために印鑑証明書が必要になってきますので、申告書に添付するようにしましょう。

遺言書には相続人の印鑑とか必要ないので、印鑑証明書が必要ないってことですね。