【現金商売】現金の管理の仕方について解説【飲食店等】

税務・会計

皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。

今回は、現金商売されている方のあるあるの悩みである経理上の現金の管理の仕方について解説していきたいと思います。

社長
社長

現金、いままでちゃんと管理していなかったんだよね~

引地税理士
引地税理士

現金商売の方は現金の管理が重要です。

僕もこれまで、8年くらい税理士業界にいますが、

現金の横領がこれまで3件ありました。

社長
社長

え、そんなにあるの??

引地税理士
引地税理士

まぁ僕自身が担当していたところではないですが、

経理の横領はよくあるものという認識は持っておいた方がいいですね。

引地税理士
引地税理士

そういうわけで、今回は、特に飲食店での現金の管理の仕方について解説していきます。

引地税理士
引地税理士

参考図書として、「飲食店経営で成功するための「お金」のことがわかる本」(著者:水野剛志)を参考にさせていただきました。わかりやすい本でとても参考になりましたので、飲食店経営者の方にお勧めです。

結論:経理上の現金の管理を3つに分ける

飲食店だとあるですが、レジの釣銭を合わせていない、レジのお金で経費の支払いをしている。毎日は通帳に現金を預け入れしていない、ということをしていると、あるべき現金の残高を合わせるのがなかなか難しいという悩みがあると思います。

その解決法ですが、経理上の現金の管理を3つに分けることがポイントになります。

その3つとは、

①レジ現金:おつり用にレジに準備している現金

②売上現金:その日の現金売上によって手元に残る現金

③小口現金:店舗で買い物が必要な場合に店舗にて使う現金

という分け方をすることがポイントです。

引用して詳しく見ていきます。

①レジ現金

おつり用に準備するレジ現金は必ず一定額になるように決め、ほかの現金と区分して管理します。レジ現金は常に一定額なので増減することはありません。

②売上現金

毎日の現金売上は、レジに入金されますが、レジ現金や小口現金とは区別して管理し、営業終了後、または、その翌日に全額銀行に入金します(売上代金=銀行預入額)

時間がなくて毎日銀行に行けない場合は、数日ごとでお結構です。ただし、通帳には、営業日ごとの売上金が記帳されるように分けて入金してください。

売上金額をそのまま通帳に入金すると、通帳を見るだけで売上履歴の振り返りが可能となり、客観性が増すことから、不正防止につながるといった効果があります。

③小口現金

店舗で買い物が必要な場合など、店舗にいくらかの現金を用意しておかないといけません。小口現金は、支払いのための現金なので、レジ現金、および売上現金とは区別して管理します。

小口現金の残高が少なくなり、補充する場合も、売上現金から直接取ることはせず、一度、通帳に売上現金を全額入金したうえで、通帳から小口現金を引き出して補充をしてください。売上現金の入金と小口現金の引き出しの履歴を通帳に残す必要があるためです。

また店長は、小口現金の支出内容と残高を把握できるよう、エクセルやレジ機能などを利用して小口現金の入出金の履歴がわかるような「現金管理表」を作成することをお勧めします。

P127、128

各項目を詳しく見ていきます。

①レジ現金については、レジに用意しておくべきお金の枚数と金額を事前に決めておくことにより、あるべき残高と実際の残高が一致しているかどうかの確認ができるようになります。

例えば、レジを閉める際に、下表のようにあるべき残高を合わせます。

このあるべき残高を確定することによって、現金過不足が分かるようになります。

②売上現金についてですが、上記表の場合、売上現金115,165円は、翌日でも銀行のATMで預け入れをするようにしましょう。

これで、売上現金の管理はちゃんとできるようになりました。現金過不足が僅少である場合には、釣銭の打ち間違いがあったんだな、と容易にわかるようになりました。

あまりにも金額が多額である場合には、不正もありえます。また、そもそも売上伝票も抜いて、売上代金も抜いているとわからないのでその点は注意が必要ではありますが…

③最後に小口現金ですが、こちらは、現金を補給するときは、通帳から直接引き出すようにして、経費の支払いのみ使っていくものなので、現金の実際あり高と一定時点で合わせるようにすれば問題ないです。

このようにして、売上の入金と、経費の支払いの現金の管理を別々に分けることによって、現金の過不足が生じた場合に、どちら側に問題があったのかが分かりやすくなります。

帳簿上でも、現金の項目を3つに分けよう

現金をしっかり管理している場合は、会計ソフト上でも、実際の現金の残高と一致させておく必要があります。

例えば、上記のケースだったら、

レジ現金:70,000円

売上現金:115,167円(←翌日通帳に入れますが、締め日においては手許にあるため)

小口現金:44,950円

といった勘定科目、補助科目を作って別々に表記しておいた方がなお分かりやすいです。

余談

引地税理士
引地税理士

いかがでしたでしょうか?

現金の管理にもノウハウがあります。

ぜひ参考にされてみてください。

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