現物給与の所得税・社会保険の取扱いについて解説(いくらまでが非課税?)

税務・会計

皆さんこんにちは、鹿児島の税理士の引地です。

今回は現物給与の所得税・消費税の取扱いについて解説していきます。

そもそも現物給与って何?ってところから解説し、いくらまでが非課税なのか、社会保険料を計算する場合の取扱いについても解説していきます。

現物給与とは?

現物給与とは、食事の提供や通勤定期券の支給、車内販売で安く買えた割引分など、お金以外で支払われる給与のことをいいます。現物給与は、本来的には給与の支給ではないですが、経済的利益の供与として所得税の計算上は給与として扱います。

例えば、従業員に対して物品の値引き販売をした場合、その値引きした金額は、労働の対価としての給料に相当するものとして、所得税計算上は給与収入として扱うことになります。

給料を低くする代わりに、値引き販売をして額面給与を下げて所得税課税を逃れるとなったら、普通に給料としてもらっている人と比べて、課税上の不公平が生まれますからこのような扱いになっています。

現物給与の具体例

現物給与の具体例として、

  1. 通勤費
  2. 社宅の家賃
  3. 残業・日直・宿直者の食事
  4. 宿直・日直手当
  5. 食事
  6. 旅費交通費
  7. 海外慰安旅行

などがあります。

現物給与いくらまでが非課税?

上記に挙げた、現物給与。実は一定の金額までは給与課税はされません。

その理由が国税庁のHPに載っていますので転載しますと、

これらの経済的利益を一般に現物給与といい、原則として給与所得の収入金額とされますが、現物給与には、①職務の性質上欠くことのできないもので主として使用者側の業務遂行上の必要から支給されるもの、②換金性に欠けるもの、③その評価が困難なもの、④受給者側に物品などの選択の余地がないものなど、金銭による給与と異なる性質がありまた、⑤政策上特別の配慮を要するものなどもあるため、特定の現物給与については、課税上金銭による給与とは異なった特別の取扱いが定められています。

国税庁HPより

つまり、金銭による給与支給とは異なった性格が有るので、特別な扱い(非課税)をしているということですね。

ではいくらまでが非課税なのかと言いますと、

  1. 通勤費

     ・交通機関利用の場合
      通常、全額非課税(月15万円が限度)

     ・自動車などの交通用具利用の場合
      通勤距離に応じて非課税枠が決められています(月15万円が限度)

     ※詳しくは国税庁HPへ⇒https://www.nta.go.jp/users/gensen/tsukin/index2.htm
  2. 社宅の家賃
    一定額まで非課税
  3. 残業・日直・宿直者の食事
    非課税
  4. 宿直・日直手当
    1回4,000円以下の部分は非課税
  5. 食事
    食事の価格の50%以上徴収していれば非課税
  6. 旅費交通費
    職務上の交通費、宿泊費、日当などは非課税
  7. 海外慰安旅行
    全従業員の50%以上が参加し、目的地滞在期間が4泊5日以内なら非課税

通勤費の社会保険料計算の取り扱い

現物給与の中でも、通勤費の社会保険料計算の取り扱いについてですが、

社会保険料、労働保険料ともに、通勤手当も含めたところで計算するので、

社会保険の算定基礎届、労働保険申告書の申告の際は注意が必要です。

余談

引地税理士
引地税理士

現物給与については、税務調査時にもチェックされる個所になりますので、

気を付けるようにしましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました