亡くなった父、母に多額の借入金があった場合などは、引き継ぐ財産よりも借金の方が多いため、その場合、相続放棄をすることも考えられます。
今回は、相続放棄の意義から、手続き上の注意点、実際に手続きが完了するまでの流れを説明しますので、検討されている方はご参考していただければと思います。
相続放棄とは
相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がないことをいいます。
亡くなった方がいる場合、その方の財産や借金などはどうなるのかというと、相続人へ引き継がれていきます。
★相続人が誰になるのかは、以前ご紹介してますので、詳細は下記URLをクリックしてください。
「身内の相続があったんだけど、相続税の申告しないといけないの?という疑問に答えます!」
⇒https://zeikin-clear.com/inheritance-tax-declaration/
このように、特に何もしなかった場合、相続人に流れていきますので、このような流れを「単純承認」といいます。
上記のように、単純承認の場合、借金も引き継いでしまいますので、借金の方が多くて引き継ぎたくない場合は、相続放棄の手続きをします。
と、聞くと手続きが大変そうですが、大丈夫です。簡単です。どうしても分からないときは家庭裁判所に電話で聞けばいいと思います。
ちなみに、相続放棄の手続きをする場所は役所ではなく、家庭裁判所であることに注意してください!
相続放棄の実際の手続き
相続放棄の手続きの期限は、基本は被相続人の亡くなった日から三ヶ月以内です。あまり時間の猶予が無いことにも注意してくださいね。
では、だれが相続人になるのかでケース別に必要書類を挙げていきます。(参考HPとして、裁判所のサイトから引用⇒https://www.courts.go.jp/saitama/vc-files/saitama/file/fc-2401B5.pdf)
相続人が、配偶者、子の場合(子が死亡の場合は孫)
- 配偶者、子の戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書ともいう) 1通
- 被相続人の住民票の除票(あるいは、戸籍の附票) 1通
- 被相続人の死亡の旨、記載のある戸籍謄本 1通
つまり、この資料で確認したいのは、亡くなった方の相続人であることを確認したいわけなので、被相続人の方との血縁を示すため、戸籍謄本が必要になってきます。あとは亡くなったことを示すため住民票の除票が必要になるというわけです。
相続人が、被相続人の父、母などの直系尊属である場合
- 父、母の戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書ともいう) 1通
- 被相続人の住民票の除票(あるいは、戸籍の附票) 1通
- 被相続人の出生から死亡まで記載された戸籍謄本の全部 各1通
「3.」については、被相続人との血縁関係を証明するために必要です。
相続人が、被相続人の兄弟姉妹(兄弟死亡の場合には、甥、姪)である場合
- 兄弟の戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書ともいう) 1通
- 被相続人の住民票の除票(あるいは、戸籍の附票) 1通
- 被相続人の出生から死亡まで記載された戸籍謄本の全部 各1通
- 被相続人の直系尊属が死亡している旨を示す戸籍謄本 各1通
とりあえず分からなければ...
市役所の人に聞いて、「相続放棄がしたいので、関係する書類をください」と言えば、対応してくれると思いますので、窓口で聞けばよいと思います。
ただ、被相続人の本籍地が県外とかだったりすると、郵送で取り寄せる必要があるので、そこは注意が必要です。
まとめと注意点
注意点として、相続放棄をした場合、次の相続人に相続の権利義務が移ることになりますので、その点は十分注意してください。争いの種になる可能性がありますので、話し合うことがベストですね。ちなみに、相続人が全員放棄した場合には、だれも相続しなかったという形でおそらく国庫に属する形になると思います。
相続放棄が完了したあかつきには、地方裁判所から郵送物が届きますので、そちらを保管しておけばOKです。
相続の放棄と聞くと、すごく大変そうですが、関係各所に聞けばそこまで大変ではありません。ただ期限があるので注意してくださいね!
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