これは、とある顧問先とのやり取り・・・
個人で事業をされている方で、毎年確定申告の依頼を受けている方でした。その方が、新しく住宅兼店舗を新築したと言うことで、住宅ローン控除の申告をしてほしいとのご依頼がありました。
必要な書類もそろっていたので、粛々と確認していると、、、あれ?
「借入金の残高より、土地と建物の取得価額の方が高いですね?」
話を聞いてい見ると、住宅ローンと、自己資金と、親から資金の提供を受けていたとのこと。
この場合、注意しないといけないのが親からの資金提供です。
今の高齢者の方はお金を持っている方も多いでしょうから、割とあり得ることです。
このような、住宅取得のための資金提供は、贈与税の課税対象になります。
住宅ローン控除の申告の際は、税務署、住宅ローンの残高証明とか、建物の請負契約書とかも出すので、差額は自己資金なの?親からもらったの?ってなりますので、税務署にばれます。
ってことで、
「これは住宅取得等資金の非課税の適用して贈与税の申告をしないとな~」と気づけたので、今回贈与税の申告はしたのですが、納税額は0円でした。
それでは、その「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の規定の解説をしようと思います。
住宅取得等資金の贈与税の非課税
では、その規定ですが、ざっくりいうと
「親から住宅取得のために金銭の贈与を受けて、その金銭を取得に充てて、その住宅に住むんだったら、その贈与により取得した金額の一定額までは贈与税は非課税です」
という規定です。
おそらくこの規定は、住宅取得によってお金が回りますから、住宅の取得のための贈与だったら非課税にしますよ~ってことだと思います。
で、その一定額とはいくらまでなのかというと、
令和4年以降の贈与については、省エネ住宅の場合は1000万円まで、省エネ住宅以外の場合は500万円まで贈与税が非課税になります。
省エネの定義ですが、省エネルギー性や、耐震性など、省エネ住宅である場合には、工務店が住宅性能証明書を出してくれます。
で、この規定は贈与税の期限内申告書の提出&この規定の適用を受ける際の明細書の添付が要件です。贈与税の期限内申告書の提出期間は、贈与を受けた年の翌年、2月1日から3月15日までに提出しないといけないので、その点は気を付けてください。
贈与税の申告書、及び明細書はこちら↓↓
贈与税の申告書・・・https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/yoshiki2021/pdf/001.pdf
住宅取得等資金の非課税の明細書・・・https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/yoshiki2021/pdf/004.pdf
(上記はどちらも、令和3年分の申告書のURLを張り付けています。)
あと、申告書に添付する書類として、ご自身の戸籍謄本(親との血縁関係がわかるように)と、建物の登記簿謄本(土地も取得した場合は土地のも)と、建物の請負契約書、建物を建てるにあたって土地を取得した場合は、土地の売買契約書、省エネ住宅の場合は、住宅性能評価書が必要になります。
具体的な効果
今回、申告をした方は、親から700万円の贈与を受けていて、贈与税の非課税が改正前の1000万円でしたので、納税額は0円でした。
もし、申告していなかったら、155万円の税金がかかるところでした。期限を遅れて申告してもアウトなので気を付けてくださいね。
おそろしいおそろしい。
確定申告をしないと受けれないことに注意!
基本的に本人に有利となる規定は、確定申告をしないと受けれない規定が多いので、申告のし忘れに注意してくださいね!
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